ひなた野乃子のブログ

その日その日のつれづれ日記です。竹本祥子、祥で詩を書いています。

映画、「すばらしき世界」を観て。

昨日、市立図書館の上映会に行ってきました。「すばらしき世界」という邦画です。

タイトルには少し違和感があります。見終わった後としては。まぁネタバレになりますが、書きますね。

 

役者は役所広司、仲野太賀、長澤まさみ、六角精児、橋爪功梶芽衣子、白竜、キムラ緑子、安田成美等々。役者ぞろいです。

役所広司の雰囲気がいい。眼の使い方がいい。身体の動きがいい。

話は展開する。とにかく短気な男。まっすぐで濁りがない。私生児で気づいた頃には、刑務所に居て、長い服役を終えてシャバに出てきても、生きにくい。生活保護を得て、仕事にも就こうとするが、なかなか上手くいかない。

 

そんな中、最終的に、介護施設に就労する。そこで、役所は今までにない我慢、忍耐をする。強いられるというより、自発的に「する」のだ。生きていかなくてはいけないから。死ぬわけにはいかないから。

就労仲間が、他の職員に暴行を受けているところに出くわす。この就労仲間は知的障がい者で、他の職員からすると厄介者なのだ。職員による職員のいじめだ。その場面でも、役所はぐっと我慢をした。他の場面でも、我慢をした。

私は、仕事ってこうなんだ。と思い知った。いろんな嫌なことが有ってあたりまえなんだ。と。

 

役所は、仕事帰りに、その障がいのある仲間から、コスモスの花束を貰う。役所は身に染みて嬉しく思い、家路に着く。嵐の夕刻、洗濯物を取り込んだあと、役所は倒れる。もともと持病があったのだが、物語の終結がこんなだとは。唖然となる。「すばらしき世界」ではなかったのか。物語と言っても、実話を映画にしたものなのだ。原案、佐木隆三、監督、西川美和。厳しい現実の大団円となる。

 

「すばらしき世界」・・・なるほど。