花びらのような
竹本祥子
沿線の脇に咲いたという花が
花の花びらが
うす桃色に色づいて
茎からたおれて風に飛散してゆく
追いかけもしないが いつまでもその飛散してゆく方向を
視点も定まらず 追ってゆくあたし
あたしに今まで何があって
あたしにこれから何があるのか
花占いなどしないよ
ころころ転がれ 人の生きる道とやら
ころころ転がれ 幸も不幸も
次から次へと
ただ一点に今に集中すれば
点が線になる
集中もこときれて 点線で生きてゆくことを
選択したあたし
飛散してゆく花びらのよう