ひなた野乃子のブログ

その日その日のつれづれ日記です。竹本祥子、祥で詩を書いています。

波に (継ぐより)

波に

             竹本祥子

 

波が立つ

向かうココロは 刃で ばさばさに切り取られる

遠くに 光る 発光物体

昔 運動場に白線で引いたように

自分の陣地を囲んで 守る

 

二十四時間 鳴らなかった携帯の着信音

今朝 鳴った訳は

淋しそうな朝焼けを 波が哀れんだから

津波なら 受けて立つものを

 

刻まれて 青く

流されて 白く

炎は 消せない

今からでも 間に合う

私に 毒蛇が棲むのなら

 

灯台の指す灯火が 明る過ぎるから

日が昇る朝が また来るから

このままでいよう

波に任せて